所得税の基礎控除引き上げ論議が政治的に混迷しており、先行き不透明感が高い。制度改正により「103万円の壁」をなくすとともに、勤労者の手取り収入を増やすのが目的とされている。しかし、減税による手取り増加は1回限りの「水準効果」なので、減税額を増やし続けていかない限り、翌年度以降は所得へのプラス効果が剝落する。手取り所得を増やすことを目的とした定額減税や給付金の場合、翌年度には所得の「反動減」要因にな ...